ABOUT

教室紹介

板橋病院の特色

日本大学医学部附属 板橋病院について

  • 日本大学医学部

    日本大学医学部

手術室は14室、年間約6,000件の麻酔症例があります。NICUと救命救急センターを備えており、総合周産期母子医療センターの指定を受けています。そのため、緊急度・重症度の高い麻酔症例を多数経験でき、新生児から高齢者まで万遍なく数々の麻酔症例を経験することが可能です。

また、超音波ガイド下末梢神経ブロックの症例も豊富で、TKAにおける下腿の神経ブロックや小児の神経ブロックを積極的に行っています。
また、2015年に痛みセンターが新設され、当科の加藤実センター長のもと小児から高齢者まで慢性痛の治療にあたっています。さらに緩和ケアチームにも麻酔科が参加し、がん性疼痛の治療や緩和ケアも行っており、手術麻酔だけでなく様々な分野で診療を行っています。

板橋病院の各手術室の特徴

板橋病院も新病院建て替え計画が発足し、数年後には日本大学(駿河台)病院と同様に、機能的かつ規模の大きい病院として生まれ変わる予定です。現状は歴史と伝統を感じさせる作りですが、導線は非常によく、手術室は全14室フル稼働しています。大規模災害などの非常時には、手術室内廊下でも患者対応ができるよう広いスペースが確保されています。クリーンルームを含め、各手術室は各科手術に対応した作りとなっています。手術室内には広い麻酔科医局もあり、医局員は全員机が与えられていますので、ゆっくりと本や文献を読んだり、くつろいだりできます。手術室外にも研究やミーティングなどができる医局があります。

板橋病院の外科手術の特色

日本大学医学部附属板橋病院では、ほぼすべての外科手術に対する麻酔に対応しています。外科の種類ですが、消化器外科、整形外科、心臓外科、血管外科、脳神経外科、呼吸器外科、産科、婦人科、小児外科、乳腺内分泌外科、泌尿器科、耳鼻科、眼科、形成外科、皮膚科、総合外科、歯科口腔外科、血液膠原病科と非常に多岐に渡っています。専門医取得に必要な症例をまんべんなく経験できます。重症リスクを合併する患者も多く、日々の臨床経験を積む中で、各患者に合った麻酔法や周術期管理の計画能力が自然と身に付きます。専門医を取得する頃には、手術室のコーディネーターとして、采配や多種職種間調整も自信をもってできるようになります。

痛み診療体制の紹介

当院では、4年前から院内の痛み診療・治療の中央部門として、痛みセンター(緩和ケアセンター兼務)が新設されました。痛みセンターは、従来から当院の痛み治療を牽引してきた麻酔科のペインクリニック、加えて緩和ケアチーム、そして痛みの原因同定が困難かつ適切な痛み対応法が見つからず、日常生活に支障を来している患者さんを対象にした集学的痛み外来の3部門から構成されています。それぞれの目的、実際、そして学べる内容を紹介します。

ペインクリニック外来(月・水・土)

  • 痛みセンター 外来診察の様子

    痛みセンター 外来診察の様子

目的

通常の痛み止めに抵抗を示す患者さんを対象に、診察を通じて痛みの原因を同定し、痛みの原因に基づいた痛み治療を行い痛みの軽減と日常生活の改善です。

 

実際

急性痛から慢性痛、非がんからがん性痛、小児から高齢者までの痛みの苦痛に対して、痛みの診断に基づいた痛み治療、主として神経ブロック、薬物療法、光線療法などを主体に実施しています。例えば非がん性の痛み種類、疾患としては、筋骨格系に起因した侵害受容性痛としての腰痛、背部痛、肩部痛、下肢痛など、加えて神経障害に起因する神経障害性痛としての帯状疱疹後神経痛、手術後の慢性痛、三叉神経痛などがあります。例えば月曜日は、午前中は外来患者の診察、午後は外来スタッフ全員で緩和ケアチームの担当している患者さんの診察、加えて超音波ガイド下の神経ブロックによる痛み治療を実施しています。

 

学べること

痛みを訴える患者さんとの医療面接を通じての痛み情報の収集の仕方、身体診察の仕方、画像検査の評価法、痛み治療計画立案、そして局所解剖に基づいた各種神経ブロック手技の習得、薬物療法の選択(神経障害性痛治療薬、オピオイドの使い方と留意点)と評価法などを学習できます。ペインクリニック認定医取得のための受験資格が得られます。

緩和ケアチーム(病棟回診毎日、外来月曜)

目的

がん治療中の患者・家族を対象に、主治医と連携しながら多職種から構成される緩和ケアチームの介入により、治療中に生じた痛みなどの身体的苦痛や不眠・不安などの精神心理社会的苦痛の緩和を支援します。

 

実際

麻酔科医は、精神科医、心療内科医、看護師、薬剤師、臨床心理士、栄養士、MSWと連携しながら、ペインクリニックで習得した痛みの診察・評価・鎮痛法を応用して痛み治療をしています。緩和ケアチームとしての活動は、各診療科の主治医からの緩和ケアチーム依頼に基づいて始まり、尚、過去3年間の新患者数は平均300名です。緩和ケアチームメンバーによる毎日の回診に加えて、毎週火曜日の午後にはカンファレンス・合同回診を実施しています。

 

学べること

回診・カンファレンスを通じて、痛みの原因同定法・鎮痛法の選択と評価の仕方の習得に加えて、化学療法の適応と実際・副作用、身体的苦痛である嘔気、倦怠感、呼吸困難感、せん妄などの評価と対応法、精神的苦痛である不安、恐怖、気分の落ち込みの評価と対応法、そして患者・家族の意向に沿いながらの在宅・転院・緩和ケア病棟などへの転院支援の実際を学ぶことができます。緩和ケアチームメンバーとしての職歴は、緩和ケア認定医・専門医の受験資格が得られます。

集学的痛み外来(木曜)

目的

痛みの原因同定が困難かつ適切な痛み治療法が見つからず、日常生活に支障を来している患者さんを対象に、多職種(看護師、薬剤師、精神科医、ペインクリニック医)の診察を通じて、痛みの原因を同定し、患者の理解と納得が得られる痛み対応方法を提案し、痛みの軽減と失った日常生活の活動性を少しでも取り戻すための支援をしています。

 

実際

がん、非がんを問わず小児から高齢者まで全ての年齢の慢性痛患者の痛みを対象に、全ての患者に対して、看護師、薬剤師、精神科医、ペインクリニック医師が順次診察を通じて集学的な評価、評価に基づいた痛みの原因についての説明、痛み対応法についての具体的な提示、患者の希望を考慮に入れた痛み治療先の決定、例えば当院の院内連携、紹介医との連携などを実施しています。

各職種の診察並びに役割は、看護師は、1)医療機関で話せてない情報収集、2)不安・認知の是正につながる情報収集、3)新たな気づきの促しなど、薬剤師は、1)コンプライアンス・アドヒアランスの評価、2)服薬した薬物療法の不満・不信感の評価、3)今後試す価値のある薬物の選定などを、精神科医は1) 精神疾患の有無、2)性格把握につながる情報収集、3)メンタルサポートの必要性の有無、4)自殺企図の有無などを、そしてペイン医は、1)スタッフ診察を通じての新たな気づきの有無、2)痛みの詳細な問診と身体診察、3)痛みの種類と原因の説明、4)慢性痛のメカニズムと治療の目標設定、5)具体的な対応法を提示しています。更に木曜の16時からは、器質的疾患の可能性の有無、身体的要因と精神心理社会的要因の両者の再評価と方向性の決定のために、外科医、整形外科医、臨床心理士、作業療法士も加わった集学的カンファレンスを開催ししています。参加自由ですので、是非多職種での議論の意義に触れてみて下さい。尚、過去3年間の新患患者数は平均約70名です。

 

学べること

多職種診察を通じて、慢性痛患者の痛みの訴えと行動の理解・評価、適切な痛み対応の提案ができるために必要なことを学ぶことができます。具体的には、コミュニケーション力の習得、一人の患者の身体的苦痛、精神心理的苦痛、そして社会的苦痛のそれぞれの情報収集の仕方、評価法、運動療法の理解、認知行動療法的アプローチの理解、そして痛み治療計画の立案ができるようになります。さらに、痛みの強さはNumerical rating scale (NRS),日常生活の活動性はPain disability assessment scale (PDAS), 不安・抑うつはHospital anxiety and depression test (HADS), 痛みの破局化思考はPain catastrophizing scale (PCS)、痛みの自己効果感はPain self efficacy questionnaire (PSEQ), 睡眠はアテネ不眠尺度、運動機能はロコモ25などのそれぞれ評価スケールの使い方、評価方法を習得することができます。以上から、薬物療法や神経ブロック療法に抵抗性の場合は早期から多職種による集学的痛み外来を活用することで、早期に適切な痛み対応法が見つかり、痛みの軽減と日常生活の改善が得られる可能性があることを学ぶことができます。