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第53回 Anesthesia Morning Café – Professor’s Wake-Up Bibble-Babble

前回のNSAIDsに続いて、WHOがん疼痛指針の第一段階薬に分類されているアセトアミノフェンに関する問題です。以前掲載した第38回のbibble-babbleで、アセトアミノフェンの作用機序「主に中枢性機序である」ことは解説していますのでご参照ください。ペインクリニック専門医試験にはアセトアミノフェンに関する問題は頻出していますが、同じような内容ですのでその一部を紹介します。

 

【2025年】アセトアミノフェンについて正しいのはどれか。2つ選べ。

a. 治療用量における肝毒性はまれである.

b. 経静脈投与は経口投与より有効である.

c. 重篤な腎機能障害のある患者には禁忌である.

d. NSAIDsの併用はそれぞれの単独使用より有効である.

e. 中脳や延髄のカプサイシン受容体やカンナビノイド受容体を抑制させることが主な鎮痛機序である.

 

【2019年】アセトアミノフェンについて正しいものを2つ選べ。

a. 解熱作用がある.

b. 抗炎症作用がある.

c. 1日総量は4,000㎎が限度である.

d. N-アセチルシステインにより肝障害が起こる.

e. アセトアミノフェン中毒の治療薬にN-アセチル-p-デンゾキノンイミンがある.

 

【2013年】アセトアミノフェンについて正しいのを2つ選べ.

a. 痛みの治療では1日最大服用量は2,000mgである.

b. 代謝は肝依存性である.

c. シクロオキシゲナーゼ阻害作用が強い.

d. 長期投与は避けるべきである.

e. 中毒にはアセチルシステインを投与する.

 

アセトアミノフェンの投与量は15mg/kgとされ、成人では一回1000㎎で天井効果を示します。一日最大量は4000㎎です。ほぼ100%、生体内で利用されます。末梢ではCOXに作用しにくく、消炎作用、胃腸障害や血小板機能抑制などは生じにくいため、鎮痛効果があれば長期に継続しやすい薬です。かつ安全域が広く、肝毒性が現れるのは一回量として治療量の10倍、>150㎎/㎏服用時になります。アセトアミノフェンの肝毒性を考える上で、代謝と排泄を知っておかねばなりません。下図を見てください。

 

 

投与されたアセトアミノフェンの95%は、肝臓でグルクロン酸抱合と硫酸抱合を受け、抱合体は腎臓から尿中に排泄されます。残りの5%はCYP2EIを介して、N-アセチル-p-ベンゾキノンイミン(NAPQI)に代謝されますが、少量であれば肝臓でグルタチオン抱合により無毒化され、尿中排泄されます。しかしアセトアミノフェンを過量投与した場合、グルクロン酸抱合は飽和状態になる結果、CYP2EI代謝によるNAPQIが増加し、すぐにグルタチオンも枯渇することで、NAPQIによる肝毒性が発揮されます。そこで急性中毒の治療には、NAPQIを抱合し、かつグルタチオンを増加させるアセチルシステインが用いられます。

 

正解は【2025】a, d 【2019】a, c 【2013】b, eです。