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第1回 Anesthesia Morning Café – Professor’s Wake-Up Bibble-Babble

いつもより朝早く出勤して、コーヒーと軽食をスタバで仕入れて、汗汗(^^;)準備していました!!何人集まるかドキドキでしたが、たくさんの医局員が集まってくれました。

本日の Professor’s Wake-up Bibble-Babble は、

Chae WS, et al.

Effect of thoracic epidural anesthesia in a rat model of phrenic motor inhibition after upper abdominal surgery. 

Anesthesiology 2018; 129: 791-807

です。

 

Important Point Here!!

上腹部開腹手術後に、肺炎や無気肺などの呼吸器合併症が多いのはご存知の通りです。この原因としては術後痛による呼吸抑制であったり、手術時の横隔神経、横隔膜障害だったりというのが麻酔科医の通念だと思います。この研究の結果によると、末梢の手術因子のみでなく、開腹刺激を契機とした中枢性の横隔神経活動の抑制が重要であることが示唆されました。ラットの上腹部を開腹し、一定時間開創器をかけると、術後、頚部横隔神経から記録した神経電図上、発火頻度や発火時間が有意に減少し、それに伴い分時換気量や呼吸数が減少しています。ブピバカインによる胸部硬膜外麻酔を行うと、開腹しても横隔神経活動は抑制されません。上腹部以外の後肢腓腹筋切開では、呼吸運動が抑制されないことから判断すると、上腹部の切開、開創刺激が特異的に求心性インプットとなり、反射性に横隔神経活動が抑制され、呼吸運動が減少するとみなされます。この反射回路は現状では不明ですが、術後呼吸抑制を予防するために、上腹部への侵襲刺激を遮断する区域麻酔の重要性が示されたと思います。おそらくオピオイドだけでは、この求心性インプットは遮断できないでしょう。